昆虫採集とは?
昆虫を捕まえ、観察し、飼育したり(生態)、標本にしたり(分類)、昆虫という体系を理解しようとする行為です。
昆虫採集への誘い
昆虫採集の楽しみの一つは、宝探しに似たワクワク感です。沢山の木を見て歩き、親子とも疲れ果てた時、木の枝にミヤマクワガタを見つけると全身に鳥肌がたち、思わず「いたー!!ミヤマだ!!」と大人も子供も大興奮できることです。狩猟本能が復活し、都会生活で壊れかけた自律神経を本来のありかたに近づけ、生活が生き生きとしてきます。
もう一つは人間とは違う不思議です。アリをじーっと見ると、なんでこんなに小さいのに自分の意思をもって歩くのだろう?こんなコンピューターや機械は作れないな・・・どんな仕組みなんだろう?と感心してしまいます。そこから体の中はどうなっているのだろう?(解剖)、何を食べるのだろう?(生態)、あのアリとなぜ色が違うのだろう?(分類)、なぜこの植物にばかり集まるのだろう?(化学)と疑問が現れ、深く理解するために、様々な学問への興味が伝播します。昆虫の理解が、自然の理解、自分の理解につながります。子供が自分で疑問を持ち、自分で調べ、ときには解決し、時にはわからないことを認め、学校の試験と違い、答えのない事象の扱い方を覚えられます。自ら学習し、整理し、まとめ、答えを出すという生きていく力が養えます。
そして、世界には人間以外もいるのだと理解できます。人間が作った都市型の社会生活を送ると、周囲の人間関係がこの世のすべてのように感じてしまうことがあります。嫌な上司がいる、いじめてくるクラスメイトがいる、それだけで自分の人生は最悪でもう死ぬしか解決法はないという閉鎖思考の壁を壊すことができます。この世界はもっと広いんだ、自分の居場所はいろいろなところにある、ここは心地が悪い、こっちなら心地が良い、と次第に昆虫のように自分の心地の良い場所へ移動できるようになります。
なにも難しい哲学や心理学を学ぶ必要はありません。外へ出て、じーーっと虫を見つめて見ましょう。緑が眩しい晴天の日に草むらにいた片足がないバッタ、肌寒い日に見つけたクロコガネの屍骸、色々見て思うことがあると思います。エアコンで温度一定の部屋にいてはわからない外の世界の変化があります。自分の調子が悪ければ、外に出て自然と一体化することで体が整えられることもあります。
道具
昆虫採集は最初は手ぶらでも構いません。昆虫採集に行って、その都度、「あっ、虫かご持ってこればよかった・・・」などと思い、毎回改善していけば良いと思います。次第に自分の昆虫採集セットが決まってきます。
まず手始めにあれば便利だと思うのが、捕虫網(虫取り網)と虫かごです。これだけで飛んで逃げる虫も捕まえられますし、両手が虫でふさがってもう虫を持てないということもなくなります。
服装
昆虫採集は、夏でも長袖長ズボンです。基本、肌は露出しないよう注意してください。なぜなら、蚊やハチに刺されたり、草木で皮膚を切ってしまったりすることが多いからです。
靴下も足首が見えない長いものを選びましょう。マダニに刺されて熱をだしたり、いいことがありません。
帽子はつばの広いものがおすすめです。木の枝葉が顔にぶつかるのを防いでくれたり、上から落ちてくる芋虫、ダニ、ハムシ等が髪の毛についたり、背中からシャツの中に入ってしまうのを防いでくれます。
首も重要です。タオルを首にかけ、汗を拭いたり、怪我をした時に止血に使ったり、首の皮膚を蚊やハチから守ってくれます。
夏でも長袖長ズボンなので、子供などは熱中症に注意してください。定期的に日陰で休憩して、水筒の冷たい水分を補給する、うちわで扇いで体表温度を下げてください。
場所
初心者が昆虫採集に出かけるときは、人の手が入った河原などの草むら、森林公園などにしてください。なぜなら、人が手入れをしていない全くの自然は、オオスズメバチの巣があったり、熊が出たり、マムシがいたり、とても危険な目に合う確率が高いからです。
都道府県が運営している野草園、自然公園などは、毎日作業員が蜂の巣を駆除したり、ぬかるんで転びやすいところに砂利をしいて転ばないようにしてくれたり、沼に落ちそうなところには柵をつくったりしてくれています。比較的安全に昆虫採集ができるのでおすすめです。
採集法
昆虫採集法にも様々あります。だれもがしているルッキングという目で見て昆虫を探す方法、トラップ(罠)を使って捕まえる方法等様々です。これらは、捕まえたい昆虫の特性、季節によって選びます。
捕獲後の扱い方
昆虫を捕獲したら、ちょっと見て逃がす、虫かごで飼育してみる、標本にするなど、その後の扱い方で変わってきます。オススメは肩掛けの虫かごに捕まえた虫を集めて、その日のうちに逃してしまうことです。子供は家で飼いたい!と親に求めるのですが、少数の個体を育てるのはいいのですが、大量の虫を持ち帰っても、多くの昆虫は死んでしまいます。それも子供の経験なのですが、本当に必要な昆虫以外は逃がすことを基本にしましょう。飼育する場合は、すぐに飼育セットと餌を用意しましょう。標本にする場合は、暴れて体が壊れてしまうことを防ぐため、酢酸エチル入りの密封容器にすぐに入れ殺して固定しまうのが一般的です。
標本作成
昆虫の記録を残したい、保存したいと思ったら標本にすることをおすすめします。
やり方の基本は、手足を整え、乾燥させるだけです。乾燥してしまえば、筋肉も干からびてそれ以上うごかなくなります。その屍骸に、採取した場所、日付、捕まえた人の名前、昆虫名などを書いた紙(データラベル)と一緒に針で刺します。それを標本箱に刺して保管しておきます。
同定
昆虫を捕まえて、その虫がなんという種(昆虫の名前)なのか決めることを同定と言います。
簡単に言えば、なんという名前の虫か調べることです。
昆虫図鑑を使ったり、昆虫目録を使います。
昆虫好きな有名人・専門家
あいうえお順
- 哀川翔
- 荒川真衣
- 池田清彦
- 井上咲楽
- 奥本大三郎
- 岡村茂
- 香川照之
- 垣原賢人
- 北杜夫
- カブトムシゆかり
- つるの剛士
- 寺門ジモン
- 牧田 習
- 丸山 宗利
- やくみつる
- 養老孟司
昆虫採集のおすすめ本
昆虫採集に関する本はたくさんあります。昆虫をしらべる図鑑や目録、昆虫を飼育するための本、昆虫採集のエッセイ、標本作成や採取法の専門書、昆虫雑誌、地域の昆虫同好会の発行する雑誌、学会誌などです。

